上棟って何?雨の場合は?何するの?上棟当日の流れと施主の役割を解説!
住まいづくりの大きな節目である上棟。
工務店から上棟の日の提案があると思いますが、施主として何をするのかいまいちわからず、不安になっていませんか?
そこで!実際に工務店と職人さんと、三位一体で上棟を行った私が上棟について解説します!
上棟当日の流れや施主としての役割がわかれば不安もなくなると思います。
また、上棟の意味や雨天時の対応についてもあわせて解説します。
上棟が完了した後は、すごい達成感を得られます。
上棟について、理解して当日を楽しみましょう!
- 上棟の意味と雨の場合の対応
- 上棟当日の流れ
- 上棟の時の施主の役割
上棟とは?
上棟(じょうとう)とは、家の骨組みをつくり、最後に屋根の一番上で棟木(むなぎ)と呼ばれる横木を取り付ける作業のことです。
「棟」木を屋根の上に「上」げるから、上棟と呼ばれます。
棟上げ(むねあげ)、建前(たてまえ)、建舞(たてまい)とも呼ばれます。
しかし棟木を取り付けただけでは、家の中は雨ざらし状態です。
そのため、家の中に雨が入らないように屋根の雨仕舞(あまじまい)までを一連の作業として行います。
上棟と言えば、「家の骨組みから、屋根の雨仕舞いまで」が一般的です。
言葉だけではわかりにくいと思うので、我が家の写真でみてみましょう。
木材があってわかりくいですが、床の構造用合板を設置した状態から…
雨仕舞で屋根に防水シート(白っぽいやつ)を設置して完了です!
基礎だけではまだまだ家らしくないですが、上棟が終わると一気に家らしくなります!
雨の場合はどうなる?
雨の場合は、延期になる場合が多いです。
理由は大きく分けて2つです。
作業性の問題
雨が降ると、作業性が悪くなります。
具体的には、以下の通りです。
- 滑る
- 視界が悪い
- 体力が奪われる
滑る
雨が降ると滑りやすくなります。
傷つけてはいけない部材ばかりなので、気を遣う上に、握力もいつも以上に使います。
また、屋根にのぼって行う作業もありますので、滑ると非常に危険です。
視界が悪い
雨が降ると視界が悪くなります。
上棟は職人同士のスムーズな連携が重要ですので、視認性は大事です。
また、部材を上げるときはクレーンを使いますが、家も足場もあるのでぶつけないように操作にかなり気を遣います。
写真を見るとわかりますが、足場にかなり近づけて操作しています。
その上、視界が悪いと正確に操作するのは難しくなります。
体力が奪われる
雨に打たれると体力を奪われます。
熱が奪われ、その分エネルギーを余計に使うからです。
上棟はかなりの体力を使います。
見ていただけの私でもかなり疲れたので、作業している職人さんはもっと疲れているはずです。
そんな中で、雨でも体力を奪われると、さらに疲れます。
疲れると、集中力も低下しますから、ミスやケガの確率も高くなります。
ここまでをまとめると、職人さんの危険が増し、仕上がりにも影響が出るということです。
家の内部が濡れることの問題
上棟の時に雨が降ると、外壁はまだ出来上がっていませんので、家の内部は当然濡れます。
住宅で使うような木材であれば、軽く濡れてもしっかりと乾燥させれば、カビが生えるようなことはありません。
多少であれば、濡れても問題はないということです。
ただ雨の対応として養生し、濡れた後は乾燥させ、施主への説明も必要ですので、工務店の手間は増えます。
また、施主の心情としてはどうでしょうか?
これから住む家の骨格ができる日に、いきなり家の中が濡れることになります。
構造的には大丈夫でも、家の中になる部分が濡れるのは嫌ですよね?
つまり工務店にとっても、施主にとっても、濡れないに越したことはありません。
我が家の工務店の対応
我が家の工務店は、上棟が雨天の時は延期が基本の対応です。
天気予報で上棟日の降水確率が高ければ、上棟の2日前に延期が決まる予定でした。
上棟は2日間かかる予定でしたので、どちらかでも降水確率が高ければ延期でした。
幸い、天気予報も当日も晴天で、無事上棟を終えることができました。
他の施主さんの上棟では、梅雨時期だったということもあり、2回延期して当初予定より3週間遅れたところもあったようです。
それだけ住まいづくりにこだわっているということですから、いいことですよね!
まあそれだけ完成は遅れますが…
雨天決行のメリットしては、工程が遅れないことくらいでしょうか?
結論、上棟を雨天決行するような工務店は避けた方がいいです。
職人さんも、施主の気持ちも大事にしていないということですから。
そのような工務店が、いい住まいをつくってくれるとは個人的には思いません。
避けた方がいい日はある?
我が家、六曜は気にせず祭事(解体祭、地鎮祭、上棟式)をしてます。
六曜というのは、毎日の吉凶を占うものです。
先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口の順番で6種類あります。
カレンダーに記載されているのを見たことがあると思います。
なぜ気にしていないかというと、「ただ順番にカレンダーに当てはめたものに意味はない」と思っているからです。
六曜を気にするより、都合のいい日を優先するスタンスです。
そんな我が家でも、上棟するにあたって避けた日があります。
それは、「三隣亡」です。
三隣亡
三隣亡は暦の上での忌み日のひとつです。
この日に建築を行うと、「近隣三件を焼き滅ぼす」といわれています。
毎月2~4日あります。
我が家の上棟日の、最初の提案は三隣亡でした。
工務店は「三隣亡ですが、気にしますか」というスタンスだったので、暦の吉凶を気にしない我が家でしたので「じゃあそれで」となりました。
しかし、高齢者の多い地域に建築することもあり、気にする人が多いんじゃないかと考え直して、上棟日をずらしてもらいました。
六曜なら我が家への影響だけですが、三隣亡は近隣まで影響が出るものです。
住み始める前から無用なトラブルを起こしたくないですからね。
我が家以外にも影響があるという理由で、三隣亡を避けました。
上棟当日の流れ~我が家の場合~
事前準備
上棟当日の流れの前に、事前準備についてです。
事前準備として、1階床の合板と仮設足場の設置を前日までに終わらせます。
写真をもてもらえばわかりますが、床の合板の上にシートを張ってしっかり養生してくれています。
ちなみに上棟前日までは、水濡れ厳禁ですので、下の写真のようにしっかりと養生してくれています。
我が家の場合は、「床断熱」ではなく「基礎断熱」という一般的ではない断熱を行っているため、特に水濡れ厳禁です。
棟梁が作業しているとき以外はこの状態になるため、仕事していると朝晩の確認もできません。笑
これだけしっかりと養生してくれていると安心ですね!
上棟当日
以下が上棟当日の流れです。
なお、これから紹介する流れは我が家の場合です。
工務店によっては手順が微妙に違うかもしれませんので、悪しからず。
文字で書くと少なく感じますが、実際の作業は丸2日かかってます。
我が家は上棟1日目に1から4の途中、上棟2日目に4の途中から6を行いました。
それでは、各項目を詳しくみていきましょう。
1.一階の柱を立てる
まず、一階の柱を立てます。
あらかじめ、あけておいた穴に引っ掛けるようにして、職人さんが一人で立てます。
5人の職人さんで同時に立てるので、あっという間に終わります。
2.通し柱を立て、梁・桁を架ける
次に、通し柱(とおしばしら)を立てます。
一階と二階にまたがる継ぎ目のない柱
長い柱なので、さすがに職人さんだけで立てるのは無理です。
どうやって立てるのかというと、クレーンを使います。
通し柱を立てた後は、梁(はり)と桁(けた)を掛けます。
梁:柱と柱に架けられる横方向の骨組み
桁:柱と柱に架けられる縦方向の骨組み
何に対しての縦横かというと、棟木に対してです。
つまり、棟木と直行するのが桁、平行になるのが梁です。
クレーンを使って設置位置まで運び、打ち付けて柱にはめ込んでいきます。
梁・桁が架け終わったら、仮筋交いを設置します。
柱等が倒れないように行う仮止め。
柱と梁・桁を止めるように斜めに設置する。
3.二階の床、柱、梁を設置する
次に、2階の床を設置します。
床の設置が終わったら、柱、梁・桁を設置します。
手順は一階の時と同じなので、特筆することはありません。
4.屋根の骨格を組む
つづいて、屋根の骨格を組みます。
この段階で棟木を取り付けるので、ここで上棟完了となります。
下の写真が、たまたま撮れた棟木の取り付け状況です。
屋根の一番上に取り付けているのが、わかると思います。
このあと屋根の形をつくっていきます。
我が家は屋根をつくっている途中で上棟1日目が終了となりました。
下の写真が1日目終了時の状況です。
二階と一階の屋根の形が違うことが、わかると思います。
我が家を上からみたときに、二階と取り囲むように東西南北に一階の屋根が出てます。
普通の家より、屋根が多いのです。
棟梁も「屋根が多いですね~」と言ってました。
そのため、時間がかかりここで終了となりました。
5.野地板を設置する
屋根の骨組みは完成すると、次は野地板を設置していきます。
瓦などの屋根材を支える下地板。屋根の骨組みの上にのせる。
縦10㎝、横2mの板をひたすら張っていきます。
繰り返しになりますが、我が家は屋根が多いため、職人さんは大変そうでした。
屋根の骨組みの上に板が張られているのがわかると思います。
ここまでの作業が、大工さんの仕事です。
6.防水ルーフィングを設置する
野地板の設置が完了したら、ついに最後の作業です。
ここからは瓦屋さんの作業になります。
防水ルーフィングと呼ばれる防水シートを設置します。
屋根に白っぽいシートが張られているのがわかると思います。
ここまで終われば、上棟の完了です。
上棟での施主の役割
上棟での施主の役割は、「職人さんのサポート」です。
具体的には、以下の2点です。
- 昼食の準備
- 休憩時の飲み物・おやつ(差し入れ)の準備
我が家の上棟は2日間行いましたが、職人さんのサポートをメインで行ったのは1日目のみです。
理由は、工務店に1日目だけでいいと言われたからです。
我が家の負担を考えての気遣いでしょう。
2日目のサポートは工務店がメインでしてくれました。
ただ、何もしないという訳にもいかないので、簡単なものは準備しました。
それでは、役割の内容を詳しく解説します。
昼食の準備
一つ目の役割は、昼食の準備です。
お昼に食べる弁当を準備します。
お腹がいっぱいになりすぎない量がいいようです。
我が家は近所の割烹の弁当を準備しました。
ちょっと少ないかなと思いましたが、職人さんたちにはちょうどよかったようです。
お弁当は、職人さんと工務店の人も一緒に食べました。
休憩時の飲み物・おやつ(差し入れ)の用意
二つ目の役割は、休憩時の飲み物・おやつ(差し入れ)の準備です。
上棟作業はぶっ通しではできませんので、休憩を間に挟みます。
我が家の場合は、10時と15時でした。
差し入れしたものは以下の通りです。
飲み物
・缶コーヒー、缶ジュース、お茶、スポーツドリンク
おやつ
・お菓子(しょっぱいもの、甘いもの)、小さいおにぎり、凍らせたゼリー、アイスボックス
職人さんの人数は5人、工務店の人数は4人でした。
上棟は8月の真夏です。
我が家の差し入れの量
以下の写真は、差し入れで出したおやつです。
冷静に考えて多すぎですよね?笑
準備しているときは、足りないよりはいいと考えて大量に買いました。
しかし、職人さんたちはお腹いっぱいになるまで食べません。
さらに、職人さんたちも自分で飲み物やおやつを用意しています。
結果、大量に余りました。
我が家は餅まきをする予定だったので、余ってもまけたのでよかったですが…
餅まきをしない人は、多めに買いすぎないように気を付けましょう。
差し入れの量の目安
目安としては、個包装で大袋のお菓子を4~5袋くらいかなと思います。
個包装の大袋というのは、例えば以下のようなお菓子をさしています。
甘いものやしょっぱいものをいろいろと揃えると、職人さんも喜んでくれると思います。
職人さんは高齢の方も多いので、昔からある懐かしいお菓子があっても面白いかもしれませんね!
人気があった差し入れ
人気があった差し入れは、アイスボックスと小さいおにぎりでした。
アイスボックス
8月の上棟でしたので、アイスボックスを準備しました。
買い出しは、休憩の直前に行きました。
職人さんたちは朝からずっと現場にいます。
そのため、冷凍ものは持参することができません。
自分たちで準備できないものですので、人気があったと思います。
一人ひとつは多すぎるので、紙コップで分けて出しました。
すぐに完食していました!
小さいおにぎり
軽食として、小さいおにぎりを準備しました。
サイズはふたくちで食べられるくらいです。
職人さんたちは、「普通の大きさだと一個を食べるとなるとちょっと多いけど、これくらいの大きさなら気軽につまめていいね」と言ってました。
ひと手間かかりますが、是非準備されてみてください!
小さめに作るのが、味噌ですよ!
まとめ
上棟について、詳しく解説しました。
上棟とは?
・家の骨組みをつくり、最後に屋根の一番上で棟木(むなぎ)と呼ばれる横木を取り付ける作業
雨の場合の対応
・作業が難しくなる、家の内部が濡れる等の問題があるため、基本的には雨天延期
上棟当日の流れ
・一階と二階を順番に、柱・梁・桁・床を設置し、屋根をつくり、防水して雨仕舞までして終了
上棟での施主の役割
・昼食の準備や差し入れの提供して、職人さんのサポートを行う
上棟は、施主も一日中動くのでかなり体力を使います。
疲れますが、上棟を終えると家のが形になるので、達成感もすごいです。
一生に一回の住まいづくり、上棟をするのも一回です。
工務店のスタッフ、職人さんたちと一緒に楽しんでください!
事前の準備はぬかりなく!