ハイスピード工法とは?施主目線のメリット・デメリット5選を解説【地盤改良工事】

- ハイスピード工法って何?
- ハイスピード工法を採用しようかな…
- ハイスピード工法のメリット・デメリットを教えて!
ハイスピード工法は地盤改良工法のひとつです。
ハイスピード工法を調べると、メリットばかりが出てきますが、デメリットも気になると思います。
私は実際にハイスピード工法で地盤改良を行いました。
この記事では、施主目線でのメリット・デメリットを5つ解説します!
ハイスピード工法のメリット・デメリットを把握し、採用の判断材料にしてください。

施主目線に特化した記事はなかなかないと思いますので、是非参考にしてください!
ハイスピード工法の費用については、ハイスピード工法にかかる費用は?我が家の採用理由も公開!をご覧ください。

ハイスピード工法とは、天然砕石を使う地盤改良工法

ハイスピード工法とは、天然の砕石で地中に柱をつくり、地盤の支持力を高める地盤改良工法です。
砕石とは、大きな岩石を人工的に砕いて作った石のこと。砕石で地中に杭をつくるので、砕石パイル工法とも呼ばれます。
ハイスピード工法は天然砕石のみを使用している地盤改良工法です。
ハイスピード工法のメリット3選

ハイスピード工法のメリットは3つです。
それぞれ解説します。
①液状化対策になる

ハイスピード工法は液状化対策になります。
液状化すると地盤が沈下し家も傾くため、同じ家に住み続けるのは困難です。
ハイスピード工法での地盤改良は、地盤の支持力を高めるだけでなく、液状化の対策もできます。
液状化を防ぐには、地震によって上昇した水を、いかに早く排水させるかがポイントです。ハイスピード工法で使用する砕石は、石と石の間に隙間があります。砕石の隙間から水を逃がして、液状化を抑制します。
実際にハイスピード工法は、東日本大震災の時に液状化を防いでいます。
液状化を防いだ実績があれば、安心して採用できます。

液状化の心配のない土地もありますので、事前にしっかりと調査をしてもらいましょう。
ハイスピード工法は、液状化の対策ができる地盤改良工法です。
②土地の資産価値が保たれる

ハイスピード工法は、土地の資産価値を保てます。
土地の価格を決める国土交通省の「不動産鑑定評価基準」によると、様々な要因によって価格が形成されると書かれています。
不動産鑑定評価基準の中で地盤改良に関わりがある項目は2つです。
- 地下埋設物の有無並びにその状態
- 土壌汚染の有無及びその状態
地下埋設物の有無並びにその状態
地下埋設物とは、地中に埋まっているもの。つまり地盤改良で言えば、地中杭です。有名な地盤改良工法で言えば、柱状改良工法や鋼管杭工法は地中杭をつくって地盤の支持力を高めます。
一般社団法人日本建設業連合会の既存地下工作物の取扱いに関するガイドラインによると、住まなくなった建物を取り壊したとき、地中に残された杭は産業廃棄物として扱われます。地中杭を残したままにすると、不法投棄になります。
家の建て替えや土地の売却では、再利用できるとき以外は地中杭の撤去が必要です。地中杭の撤去でかかる費用を差し引いて土地の価格が決まるため、土地の価格は下がります。
柱状改良工法や鋼管杭工法は、土地の価格が下がるリスクがあります。
しかしハイスピード工法で使う天然砕石はただの石です。産業廃棄物として扱われないので、撤去の必要がありません。
ハイスピード工法は、土地の価格が下がらない地盤改良工法です。
土壌汚染の有無及びその状態
費用が安く、採用されることの多い柱状改良工法ですが、土壌汚染を引き起こす可能性があります。現場の土とセメントミルクの相性によって、発がん性物質である六価クロムが発生する可能性があります。

公共工事では「六価クロム溶出試験」が義務になっており、現場の土とセメントの相性を確かめてから改良工事をします。しかし、一般的な民間工事では試験の義務がないです。住宅会社が試験しないと判断すれば、確かめることはできません。
土地を売却するときに、六価クロムが発生しているとわかったときは、土壌汚染対策の工事が必要になります。六価クロム対策工事の費用を差し引いて土地の価格が決まるため、土地の価格は下がります。

また六価クロムは人体に有害です。溶液を触ったり、粒子を吸い込むと手足、顔などに発赤、発疹が起こり、炎症が生じます。家族や近隣住民の健康を害する可能性があります。
ハイスピード工法なら六価クロムの心配はありません。セメントを使用しておらず、天然の砕石のみで地盤改良を行うため、六価クロム発生の心配がないからです。
ハイスピード工法は土地の価格の下がらない、環境に優しい工法で、土地の資産価値を保ちます。
③トータルコストが安い

ハイスピード工法は、地盤改良にかかる工事費用と将来かかる撤去費用を考慮したトータルコストが安いです。
地盤改良工事の費用が最も安くなる工法は、地盤の状況によります。
柱状改良工法は基本的に、杭の先端をかたい地盤に届かせる必要があります。杭の先端の力と杭周りの摩擦力で、建物を支えるからです。

ハイスピード工法は、杭の先端をかたい地盤に届かせる必要がないです。砕石パイルは上からの力を広く分散させるため、先端に力が集中しません。かたい支持層まで届いていなくても建物をしっかり支えられます。

杭の長さが同じ場合、柱状改良工法の方が安いです。しかし、かたい地盤の位置によっては、ハイスピード工法の方が安くなります。
- かたい地盤が浅い
杭が短いので柱状改良工法が安くなる - かたい地盤が深い
柱状改良杭は長くなるので、かたい地盤まで届かせなくてよいハイスピード工法が安くなる
工事費用だけだと、最も安くなる工法はわかりません。しかし、地盤改良の工事費用だけではなく将来的にかかる撤去費用まで考慮したトータルコストだと、ハイスピード工法が最も安くなります。
住まなくなった建物を取り壊したとき、地中に残された杭は産業廃棄物になります。再利用できるとき以外は地中杭の撤去が必要です。柱状改良工法は将来的に撤去費用がかかります。
しかしハイスピード工法で使う天然砕石はただの石です。産業廃棄物として扱われないので、撤去の必要がありません。ハイスピード工法は、将来的な撤去費用がかからないです。
ハイスピード工法は、地盤改良にかかる工事費用と将来かかる撤去費用を考慮したトータルコストが安い工法です。
ハイスピード工法のデメリット2選

ハイスピード工法のデメリットは2つです。
それぞれ解説します。
①工事中の音がうるさい
ハイスピード工法は工事中の音がうるさいです。
ハイスピード工法は穴を掘り、天然砕石を投入して圧力をかけながら杭をつくります。砕石を投入するときにカラカラと音が鳴り、圧力をかけるときにゴリゴリという音や、振動が発生します。
ただ、施工中の様子を見に行きましたが、気になるほどの音は出ていませんでした。強いて言えば、砕石投入時のカラカラという音が気になるくらいです。隣にある実家の中にいても、気になるどころか工事をしているのかもわからないようなレベルでした。
実際に、近隣からのクレームはなかったです。
音の感じ方は個人差があるので、うるさく感じる人もいるかもしれません。

のちのちのトラブルにならないように、工事前のあいさつをしっかりと行ってください。
②地盤が軟弱すぎると採用できない

ハイスピード工法は、一般的な住宅の地盤改良に適用できます。しかし、地盤が軟弱すぎると適用できません。砕石杭の間隔を一番小さくしても、基準を満たす支持力が出なければ適用不可です。
他の地盤改良工法でも採用できない条件はありますので、際立ったデメリットではありません。
しかし、ハイスピード工法を採用したい人にとっては大きなデメリットです。
まとめ
ハイスピード工法の施主目線のメリット、デメリットを解説しました。
メリットは主に3つです。
デメリットは主に2つです。
デメリットは、どの地盤改良工法にもあてはまることです。ハイスピード工法の特徴的なデメリットは、ないと言えます。
メリットに関しては、他の地盤改良工法にはないものばかりで、非常に強みのある地盤改良工法です。
柱状改良工法や鋼管杭工法等の他の地盤改良にもメリット、デメリットがあります。
しっかりと比較して、後悔のない選択をしてください。
ハイスピード工法で実際にかかった費用を公開しています。

これから家づくりを始める方に読んで欲しい記事です。

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