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ハイスピード工法とは?施主目線のメリット・デメリット5選

きゅうた

あなたはハイスピード工法を知っていますか?

ハイスピード工法は地盤改良工法のひとつです。

ハイスピード工法について調べると、メリットばかりが出てきますが、デメリットも気になりますよね?

そこで!実際にハイスピード工法で地盤改良を行った私が、施主目線でのメリット・デメリットを解説します!

施主として感じたメリット・デメリットですので、内容は少ないように感じるかもしれません。

しかし施主目線に特化した記事はなかなかないと思いますので、是非一度目を通して頂けると嬉しいです。

それでは、詳しく解説します!

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ハイスピード工法とは?

まず、ハイスピード工法についてです。

ハイスピード工法とは、天然の砕石(大きな岩石を人工的に砕いて作った石)で地中に柱をつくり、地盤の支持力を高める地盤改良工法です。

天然砕石で地中に杭をつくるので、天然砕石パイル工法とも呼びます。

地盤改良とは?

家を建てる土地の地盤を調査し、軟弱地盤だった場合に、建物を安全に支えるために行う工事。
土地に表層のみを改良したり、深層まで改良したりと、調査結果によって手法が変わる。
またそれぞれの手法にもさまざまな工法があり、選択肢は多様である。

ハイスピード工法の特徴は「天然砕石のみを使用している」ことです。

天然砕石のみを使用するハイスピード工法について、施主目線のメリット・デメリットを次項で解説します。

ハイスピード工法のメリット

まず、メリットです。

ハイスピード工法のメリットは2つあります。

1つ目が、液状化対策になる

2つ目が、土地の資産価値が保たれる

それぞれ説明します。

メリット1 液状化対策になる

1つ目のメリットは、「液状化対策になる」です。

液状化とは?

まず、液状化について簡単に解説します。

液状化

地震の揺れによって地下水位が上昇し、地盤が液体のようになって沈下すること。
砂質土地盤で、水位が高い地盤で起こる可能性がある。

出典:ハイスピードコーポレーション

液状化が発生すると、地盤が沈下し家も傾くため、再び同じ家に住むのは困難になります。

液状化の不安を抱えながら生活したくはないですよね…

ハイスピード工法で地盤改良を行うと、地盤の支持力を高めるだけでなく、液状化対策もできます。

ハイスピード工法による液状化対策

液状化の対策として、一番大事なことは「地震によって上昇した水を、いかに早く排水させるか」です。

ハイスピード工法で使用する砕石は、石と石の間に隙間があります。

この隙間から水を逃がすことで地下水位の上昇を抑制して、液状化対策を行っています。

ハイスピード工法の液状化に対する実績

液状化の対策になることはわかりました。

ここで気になるのが、実際の地震で効果を発揮できるのかです。

安心してください。実際の地震で効果を発揮した事例があります。

東日本大震災の時に、液状化を防げたことが雑誌に取り上げれています!

効果を発揮した実績があれば、安心して採用できますね。

もちろん液状化の心配のない土地もありますので、事前にしっかりと調査をしてもらいましょう!

このように、液状化対策になることがメリットの1つ目です。

メリット2 土地の資産価値が保たれる

2つ目のメリットは、「土地の資産価値が保たれる」です。

土地の価格を決める「不動産鑑定評価基準」によると、様々な要因によって価格が形成されると記載があります。

その中で地盤改良に関わりがありそう項目は、

1.地下埋設物の有無並びにその状態
2.土壌汚染の有無及びその状態

が挙げられます。

地下埋設物の有無並びにその状態

地下埋設物とは、地中に埋まっているもの。つまり地盤改良で言えば、地中杭です。

有名な地盤改良工法で言えば、柱状改良工法や鋼管杭工法は地中杭をつくって支持力を高めます。

柱状改良工法

現場の土とセメントミルクを混ぜながら掘り、コンクリートの柱をつくる地盤改良工法。

出典:家づくりを応援する情報サイト
鋼管杭工法

地中に鋼製の杭を打ち込み、鋼管杭をつくる地盤改良工法。

出典:家づくりを応援する情報サイト

将来的に住宅を撤去した場合、残った地中杭は産業廃棄物となります。

つまり地中杭を残したままにすると、不法投棄になります。

再利用できる場合を除いて、建て替えをするにも、土地の売却をするにも、地中杭の撤去は必要ということです。

地中杭の撤去にも当然費用はかかります。

撤去費用を差し引いて土地の価格が決まるため、土地の価格は下がります。

柱状改良工法や鋼管杭工法は、そういったリスクがあります。

しかしハイスピード工法なら、そのような心配は必要ありません。

ハイスピード工法で使用する天然砕石は、ただの石です。

産業廃棄物として扱われないので、撤去の必要がありません。

ハイスピード工法は土地の価格が下がらない工法です。

土壌汚染の有無及びその状態

先ほども話に出た柱状改良工法。

費用が安く、比較的採用されることの多い工法ですが、土壌汚染を引き起こす可能性があるということは知っていますか?

現場の土とセメントミルクの相性によっては、発がん性物質である「六価クロム」が発生します。

六価クロム

土壌汚染対策法で定められた、特定有害物質。発がん性物質でもあり、肺がんなどになる。

公共工事では「六価クロム溶出試験」の実施が義務付けられ、現場の土とセメントの相性を確かめてから改良工事をします。

しかし、一般的な民間工事では試験の義務はありません。

万が一、六価クロムが発生していた場合、土壌汚染対策の工事が必要になります。

工事の費用を差し引いて土地の価格が決まるため、土地の価格は当然下がります。

そもそも、自分の土地から発がん性物質が発生したら嫌ですよね?

私なら発がん性物質の可能性を心配をしながら生活したくはありません。

家族の健康被害や、周辺環境への影響も出る可能性があります。

しかし、ハイスピード工法なら六価クロムの心配はありません。

セメントを使用しておらず、天然の砕石のみで地盤改良を行うため、六価クロム発生の心配がありません。

ハイスピード工法は土地の価格の下がらない、また環境に優しい工法と言えます。

このように、土地の資産価値が保たれることがメリットの2つ目です。

ハイスピード工法のデメリット

つづいてデメリットです。

ハイスピード工法のデメリットは3つあります。

1つ目が、工事費用が高い

2つ目が、あまりにも地盤が軟弱だと採用できない

3つ目が、施工時の音がうるさい

それぞれ解説します。

デメリット1 工事費用が高い

1つ目のデメリットは、「工事費用が高い」です。

ハイスピード工法は柱状改良工法や鋼管杭工法と比較すると、5~10%高くなることがあります。

理由は、ハイスピード工法は残土が発生し、その処分費用がかかるからです。

残土処分の流れは以下の通りです。

残土処分の流れ

土をバックホウでダンプトラックに積み込む。
ダンプトラックで処分場まで運搬する。
処分場で土を捨てる。別途処分費がかかる場合あり。

上記のように残土処分には、バックホウやダンプトラックの重機費用、重機の運転手の人件費、処分費がかかります。

残土処分費は柱状改良工法や鋼管杭工法ではかからないため、その分ハイスピード工法の費用が高くなるということです。

このように、工事費用が高いことがデメリットの1つ目です。

しかし、他の工法で発生する将来的な地中杭の撤去費用等を考慮すると、悪くない初期投資と考えることもできます。

初期費用だけでなく、将来的にかかる費用も考慮して、経済的な地盤改良工法を選択したいですね!

デメリット2 あまりにも地盤が軟弱だと採用できない

2つ目のデメリットは、「あまりにも地盤が軟弱だと採用できない」です。

ハイスピード工法は、一般的な住宅の地盤改良に適用することが可能です。

しかし、地盤があまりにも軟弱な場合は適用できません。

砕石杭の間隔を最小にしたとしても、満足する支持力が得られなければ適用することができません。

他の地盤改良工法でも採用できない条件はありますので、際立ったデメリットではありません。

しかし、ハイスピード工法を採用したい人にとっては大きなデメリットになるでしょう。

地盤の条件によっては採用できないことが、デメリットの2つ目です。

デメリット3 施工時の音がうるさい

3つ目のデメリットは、「施工時の音がうるさい」です。

ハイスピード工法は穴を掘り、天然砕石を投入して圧力をかけながら杭をつくります。

砕石を投入するときにカラカラと音が鳴り、圧力をかけるときにゴリゴリという音や、振動が発生します。

ただ、施工中の様子を見に行きましたが、気になるほどの音は出ていませんでした。

強いて言えば、砕石投入時のカラカラという音が気になるくらいです。

隣の土地の実家の中にいても、気になるどころか工事をしているのかもわからないようなレベルでした。

実際に、近隣からのクレーム等もありませんでした。

あくまで、これは私の場合ですので、この音をうるさく感じる人もいると思います。

のちのちのトラブルにならないように、工事前のあいさつをしっかりと行いたいですね!

このように施工時に音が出ることが、3つ目のデメリットです。

まとめ

ハイスピード工法の施主目線のメリット、デメリットを解説しました。

まとめるの以下の通りです。

ハイスピード工法比較
メリットデメリット
液状化対策になる工事費用が高い
資産価値が保たれる採用不可な地盤がある
施工時の音がうるさい

メリットが2つ、デメリットが3つとなりました。

デメリットの方が多い結果となりましたが、内容については、どの地盤改良工法にもあてはまることです。

ハイスピード工法の特徴的なデメリットは、ほぼないと言えます。

メリットに関しては、他の地盤改良工法にはないものばかりで、非常に強みのある地盤改良工法と言えます。

柱状改良工法や鋼管杭工法等の他の地盤改良にもメリット、デメリットがあります。

しっかりと比較して、後悔のない選択をしたいですね!

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