建築工事

ハイスピード工法にかかる費用は?我が家の採用理由も公開!

きゅうた

住まいづくりをしていると必ず実施する地盤調査。

調査結果によっては、地盤改良工事が必要になります。

ただし、その費用は契約時には含まれておらず、完成時に上乗せして支払うことになります。

地盤改良の予算を確保しておかないと、最終的に予算オーバーになってしまいます。

概算でもいいので、地盤改良の費用を事前に把握しておきたいですよね?

そこで!ハイスピード工法で地盤改良を行った私が、実際にかかった費用を公開します!

この記事を読んでも、ハイスピード工法以外の地盤改良工法の費用はわかりませんので、ご承知おきください。

また採用した理由もあわせて公開してますので、目を通して頂けると嬉しいです。

結論
  • 改良費用:総杭長135.25m、合計金額(税抜き)は130万、1m当たりの単価は9,611円
  • 採用理由:もともと気になっていた工法で、工務店の標準仕様だったから

それでは、みていきましょう!

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ハイスピード工法の費用公開

さっそくですが、我が家のハイスピード工法にかかった費用を公開します。

以下が我が家のハイスピード工法の費用です。

見積書をそのまま公開するわけにはいきませんので、私が打ち直したものです。

3.75mの長さの杭が17本で42万5千円、3.25mの長さの杭が22本で50万6千円です。

残土処分費は4.8m3で約2万9千円です。1m3当たり6,042円です。

機械運搬費は建柱車、バックホウ及び各機材の運搬で約14万2千円です。

機械についての詳しい解説は、事項の機械運搬費でします。

保証関連費は地盤保証30年の保証書の費用です。

占めて総杭長135.25m、合計金額(税抜き)は130万です。1m当たりの単価は9,611円です。

工事は2日と半日で完了しました。

ただし、これはあくまで我が家の場合の見積です。

地盤条件や家の大きさによって金額は変動しますので、あくまで参考程度でお願いします。

つづいて、各項目についてさらに詳しく解説します。

機械運搬費

まず、機械運搬費について解説します。

先に機械について知っていただくと、後の解説がスムーズになりますので、見積書の順番と前後することをお許しください。

機械運搬費は、建柱車・バックホウ・各機材で構成されます。

建柱車

建柱車は、穴を掘り、電柱を立てるために使用されることが多い作業車です。

「穴を掘る」ことを「掘削」と言います。

以下、掘削と言ったら穴を掘ることなんだなと思ってください。

先端部分のアタッチメントを交換することで、ドリルで掘削したり、クレーンのようにものを吊ったりすることができます。

ハイスピード工法での役割は、掘削し砕石を流し込み、砕石杭をつくることです。

ハイスピード工法にとって、メインとなる建設機械です。

建柱車

建柱車の先端部分を交換して、現場条件によってアタッチメントを使い分けます。

上の写真で言えば、吊り下がっている箇所の茶色の部分を交換します。

建柱車での砕石杭打設については、施工方法で詳しく解説します。

次は、バックホウです。

バックホウ

バックホウは、土を掘る建設機械です。

ショベルカーといった方が馴染みがあるかもしれません。

バックホウ

ハイスピード工法での役割は、バケット(上の写真で右下の青いもの)に砕石を投入する、残土を集めてダンプトラックに積み込む等です。

ダンプトラック

なお、道路を走ることはできませんので、トラック等に載せて運搬します。

最後に、各機材です。

各機材

各機材は、バケット・発電機・その他こまごました機材です。

バケットは、砕石を投入するときに使用します。

発電機は、電気で動く機械で使用します。

その他機材は測量用機材、建柱車のアタッチメント等です。

これらは、トラック等に載せて運搬します。

以上が機械運搬費の運搬機材です。

これらの運搬にかかる費用は、占めて14万1,600円です。

砕石杭打設

つづいて、砕石杭打設です。

まず、砕石杭打設の費用の内訳です。

内訳

費用の内訳としては、3.75mの杭が17本で42万5,000千円、3.25mの杭が22本で50万6,000円です。

杭の長さが3.75mと3.25mの2種類あります。

杭の長さと本数は、地盤の支持力の計算によって決まります。

我が家の場合は、2階がある部分が3.75mで、1階のみの部分が3.25mです。

砕石杭打設の費用は、合計で93万1,000円です。

施工方法

次に、砕石杭打設の施工方法について解説します。

機械運搬費のところでも軽く触れましたが、建柱車の先端部分を交換して、現場条件によってアタッチメントを使い分けます。

ハイスピード工法アタッチメント 出典:ハイスピードコーポレーション

図の左がオーガタイプ、右がケーシングタイプです。

オーガタイプ施工方法

オーガタイプの施工方法は以下の通りです。

  1. ドリルで掘削する。
  2. 天然砕石を投入する。
  3. 50㎝毎に強度を確認しながら圧力をかけ、砕石杭をつくる。
出典:HySPEED工法【オーガタイプ】

初めに、ドリルで穴を掘ります。次に、掘った穴に砕石を投入します。

砕石を投入したら、50㎝毎に強度を確認しながら圧力をかけます。

それを繰り返しながら地表面まで砕石杭をつくります。

縦方向だけでなく横方向にも圧力が加わるため、途中で軟弱地盤があったとしても、その部分が膨らんだような形になり、より強固な地盤になります。

ケーシングタイプ施工方法

ケーシングタイプの施工方法は以下の通りです。

  1. 周辺地盤を締固めながら、掘削する。
  2. ケーシング内に砕石を投入する。
  3. ケーシングの先端から砕石を排出させながら50㎝程度引き上げる。
  4. 圧力をかけ、再び上記3の工程を行い圧力をかける。
  5. これを地表面まで繰り返し、砕石杭をつくる。
出典:HySPEED(350)工法【ケーシングタイプ】

初めに、ケーシングで地中を推し進めるようにして掘削します。

掘削後、ケーシング内に砕石を投入します。

先端から砕石を排出させながら50㎝程度ケーシングを引き上げ、圧力をかけます。

上記を繰り返しながら地表面まで砕石杭をつくります。

ケーシング内には、バケットを使用して砕石を投入します。

また、砕石の排出量はセンサーを用いて管理します。

バケットを使用して砕石を投入
施工方法比較

施工方法は、細かい違いはあれど、基本的に同じです。

タイプによる違いが一番出るのは、掘削です。

オーガタイプは掘削して穴を空けるのに対して、ケーシングタイプは穴を空けません。

言葉だけでは違いがわかりにくいと思いますので、掘削完了後の写真を比べてみましょう。

オーガタイプ掘削状況 出典:ハイスピード工法
ケーシングタイプ掘削状況

オーガタイプは穴が開いているのに対し、ケーシングタイプは穴があいてません。

これはケーシングの内部に砕石を入れることができるため、砕石投入用の穴が必要ないからです。

当然、ケーシングタイプの方が、オーガタイプより残土が少なくなります。

また工事では基本的に、ケーシングタイプを使用しますが、周辺にブロック塀や擁壁等の構造物がある場合は、オーガタイプを使用して掘削します。

ケーシングタイプは周辺地盤に圧力をかけながら掘削するため、構造物の倒壊の危険があるからです。

残土処理費

つづいて、残土処理費です。

残土処理は、以下の工程にわかれています。

残土処理工程
  1. 集積・積込・整地
  2. 運搬・処分

1はバックホウでの作業、2はダンプトラックでの作業です。

集積は各杭で発生した残土をバックホウで1箇所に集めます。

積込は集めた残土をバックホウでダンプトラックに積み込みます。

整地は積み込んだ残土を平らにならします。

運搬はダンプトラックで残土処分地まで運びます。

処分は残土処分地で残土を処分します。

我が家の場合は、発生残土が4.8m3でした。

1m3が1m×1m×1mの立方体ですので、それの4.8個分です。

集積・積込・整地で9,600円、運搬・処分で1万9,200円です。

残土処分費は合計で、2万8,800円です。

保証関連費

保証関連費は、BIOS(ビオス)地盤保証書の作成費用です。

BIOSは、「一般社団法人 住宅不動産資産価値保全保証協会」が実施する地盤保証です。

保証期間は30年、保証金額は最高5000万円です。

BIOSの保証を受けるために、保証書が必要ですので、保証関連費はその費用です。

保証関連費は、3万円です。

我が家がハイスピード工法を採用した理由

我が家がハイスピード工法を採用した理由は、「工務店の標準仕様だったから」です。

我が家の建設地は地盤が弱く、液状化の可能性がある土地でした。

ハイスピード工法については、液状化対策ができる地盤改良工法として気になってました。

ただ、地盤改良だけで工務店を決めるのはもったいないという思いもありました。

だから、工務店選びの時は地盤改良のことはいったん忘れました。

工務店も決め、間取りや設備を決めた後、いよいよ地盤改良の話になります。

工務店の提案としては、以下の通りです。

  • 六価クロム発生の可能性がある、柱状改良工法は基本的にはしていない。ただし予算の都合上、やむを得ない場合はすることもある。
  • 標準としてはハイスピード工法か鋼管杭工法。
  • 費用はどちらもそんなに変わらない。
  • ハイスピード工法は地盤保証が30年。

費用も変わらず、保証期間も長くて、液状化対策もできる。

迷わない理由はないですよね?

このような理由で、我が家はハイスピード工法を採用しました!

まとめ:ハイスピードの費用と採用理由

ハイスピード工法の費用と我が家の採用理由を公開しました。

費用

総杭長135.25m、合計金額(税抜き)は130万、1m当たりの単価は9,611円です。

採用理由

もともと気になっていた地盤改良工法で、工務店の標準仕様だったから。

繰り返しになりますが、費用については家の大きさや地盤条件によっても異なってくるため、あくまで参考程度でお願いします。

採用理由についても、ありがたいことに工務店の標準仕様だったため、迷うことなく選ぶことができました。

標準仕様でないと、ハイスピード工法は少々お高くつくこともあります。

しかし他工法で発生する杭の撤去費用等まで考慮すると、トータルでは経済的になる可能性が高いです。

複数社から見積をとって、しっかりと地盤改良工法を検討したいですね。

もちろん、地盤改良が不要な土地を選ぶことができれば、より安く済みます!

我が家は親の土地に建てたのでその選択肢はなかったですが…

一生に一回の住まいづくり、しっかりと検討して後悔のない選択をしたいところです!

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